アパレル3D・デジタルファッションの仕事を個人で受けるメリット・デメリット

デジタルファッション

どんな仕事もスキルや環境次第で個人受注は可能です。デジタルファッション分野の仕事に関して、自分の経験も含め知っておいた方が良いと思われることや、注意点などをまとめました。

置かれている状況により書いている内容がメリットになるのかデメリットになるのか逆転することもあるでしょう。数多くある意見のひとつとして読んでいただければと思います。

メリット

時間・場所を調整できる

リモートワーク可能な案件が多いため、さまざまなことを調整しやすいという点が大きなメリットと言えます。他の仕事での回答待ち時間や、家族が寝たあとに作業するということもできます。条件さえ合えば副業として進めやすい・受けやすい仕事に入るのではないかと思います。

作業に対応できるノートパソコンを持っている場合、仕事をする場所も自由度が高いのがいいところです。常にインターネットに接続できる環境でなくてもソフトの起動時だけネット環境があればいいというソフトもあります。

どの範囲まで作業担当するか次第で必要機材やスケジュール猶予は変わってきますが、育児などをしながらでも可能だという点は多くの人にとってメリットだと言えると思います。

ソフト使用料が安い

CLOに限らずCGに関係するソフトウェアは個人と企業利用で料金差が大きいことがほとんどです。

CLOを例にとると、企業契約では年間110万円/台(税込)ですが、個人契約であれば約6,7万円/台(1ドル=150円の場合)で使えます。仮に年間100型のデータを作成するのであれば、1型にかかるソフト料金は11,000円と670円の差が生まれます。CLO以外にもソフトを使うのであればこの差は大きくなっていきます。

注:個人契約扱いになるためには、各種ソフトで条件が変わりますので規約を確認してください。

フットワークが軽い

新しい仕事や実験的な案件ではスピード感を求められます。ゆっくりと構えていると機会損失に繋がるからです。企業対企業で仕事をすると契約や与信などの調整に時間がかかることがほとんどです。その点、個人であれば小回りがききやすく重宝されることがあります。

大型の案件ではなく小さく進めたい、少ない数量だけ依頼したいという場合には個人のほうが入り込みやすくなります。依頼する側としてはリスク小さく始められるためです。

その結果、様々な人や企業と仕事をできる可能性は高まります。そうなればより多くの学習機会が生まれ、スキルの幅も広がります。

リスク少なく開始できる

PCとソフトウェア・作業スキルさえあれば始められるため、比較的リスク少なく始めることが可能です。持っているスキルや作業内容次第では、1人で始められ1人で完結できるという点も負担が少ないと言えるのではないでしょうか。

自宅で作業できるので、仕事用の場所を借りたり大型の機材を購入する手間もありません。小さく開始して、失敗も小さくできます。

デメリット

仕事の受注

仕事は自分でとってくる必要があります。そのためには作品集をまとめておいたり、SNSなどでアピールしたり、クラウドソーシングで探すなど自分自身で動くことは必須です。スキルさえ磨いていれば仕事を受ける機会がやってくる、というのは幻想です。

デジタルファッションの仕事は日本よりも海外の方が仕事量は多くなっています。もし海外の仕事を探す場合は英語ができないと厳しくなるということもデメリットになる人はいると思います。

アパレル業界には繁忙期・閑散期などの波があり受注量が安定しないということもデメリットとなります。

対応策

受注に関して動くことが難しければ、仕事を斡旋してくれるところと契約したり営業を得意な人に代行してもらうことで解決できます。手数料などの分、単価は落ちますがスキル向上のための時間を確保できたり制作に集中できるようになります。

幅広い知識を求められる

個人で仕事を受けるのであっても、ほとんどの場合、他の作業者や会社とデータの引継ぎをします。関連する人やソフトが何をしているのか、どういった流れで完結させているのかなど、基礎を知っておいた方が円滑にコミュニケーションできます。逆にコミュニケーションコストが高いと判断されてしまうと、次から仕事が回ってこないということにもなりかねません。

1つの作業工程やスキルだけ極めたい、集中したいという人には個人受注が向いていない可能性は高いです。

対応策

専門分野が異なる人のツテを作っておけば、案件ごとに簡易的なチームを作って対応することができます。また全体マネジメントやディレクション可能な人を見つけておけば、自分は作業に集中できます。

各種必要経費

仕事を受けられなければソフトのサブスク料金は経済的な負担となります。

対応策

ソフトは月額プランにしておき、仕事がある時のみソフト契約して費用を抑えて対応するというのも手です。

3Dを扱えるPCであれば他の仕事も大抵出来る(動画編集などの仕事からゲームなどの遊びまで)ので色々なことをするためにPCを買うということであれば必要機材全てが仕事の負担になるわけではない、と考えることもできます。

スキルアップ

アナログスキルや普遍的なスキルと違い、ソフトのバージョンアップや新しい技術が更新される頻度が高くキャッチアップしつつ勉強していく必要があります。

対応策

どんな仕事であってもスキルアップや勉強の継続は必要で、その意味ではデジタルファッションに限ったことではありません。もし1つのことを極めて同じことを仕事としていきたいのであれば、人間国宝・無形文化財に関係する仕事で技術を磨くことを目標にするといいと思います。

さいごに

あくまで1つの意見に過ぎませんが少しでも参考になったことがあれば、と思っています。